
平林寺の裏山にある野火止塚
私(オグリ)が住む新座市野火止の地名の由来はつぎのようなものです。
今からおよそ1千年も前の昔、平安時代の初め、新座市野火止辺りを治めていたのは藤原長勝という豪族で、その館は現在の志木市にある「旗桜」で有名な長勝院跡に在ったと伝えられています。ある日、長勝は旧知の間柄である在原業平(伊勢物語の主人公)を自分の館に招き大いにもてなしました。業平はここに足を止めているうちに、長勝の娘である青前姫の美しさに魅かれ、お姫様も業平のやさしさに魅かれ、一緒になる約束をしました。しかし青前姫にはすでに嫁入りの話があり、長勝はこれを許しませんでした。そこで二人はある夜、手に手をとって館を逃げ出しました。二人が逃げた先は四十里四方もある野原のため、火をつけて探すことになり、追っ手が片山の橋(新座市片山)の辺りで火をつけると、火は勢いよく燃え広がって行きました。我が身の危険を感じた姫は、
武蔵野は 今日はなやきそ
若草の つまもこもれり
我もこもれり
「ああ、どうか今日だけは武蔵野の野原を焼かないでください。主人と私が身を隠していますから」と歌いました。
すると姫の願いが天に通じたか、不思議なことに今まで燃えさかっていた野火があれよあれよという間に消えてしまいました。この野火が止まったところが野火止塚だったといわれています。「野火止」の地名はこの野火止塚に由来するそうです。

平成24年2月12日(日)野火止緑道から平林寺の雑木林を見る。

平成28年3月21日(月)野火止用水から平林寺の山を見る。
平林寺の雑木林は、3月現在周辺部で伐採中です。木々の更新を図るためだそうで、用水から見ると木がなくなった土地は3メーター程高い山になっています。普段木々や草が生い茂りこの光景は見ることができません。珍しいので写真を撮りました。聞くところによると、新座市内では新堀が一番標高が高く約60メーターあるそうです。

平成28年4月10日(日) 伐採の進む平林寺の雑木林

平成28年4月10日(日)伐採を説明する看板